歌劇団側としてはこのTCAで専科入りした人気スターたちの扱いをひとつ実績として残すことになる。とすると、各スターに対しての態度がこれで明確化されるであろう、と於徒楽的解釈させていただく。
 もともと専科の松本みえこオネマは日本物の場面を仕切り、途中せり下がりまで見せた。衣装を変えて第1部のラスト。ま、ベルリン帰りでもあるし、この方の後を継ぐべき生徒も今のところ居ないし、納得できる。
 その他7名について。前回触れたター様はこの7名のうちナンバー5扱いとして、プロローグ後の場面をひとり銀橋で1曲歌って歩いた。伍長役のあとは娘役別格スターの渚あき嬢とのデュオあり、7人衆の場面でももちろんセンター。総スパンの衣装で大階段を下りる。言うことなし、というか持ち上げすぎなんでは? 逆に心配である。
 学年順に行くと、続くはチャーリー様。男役を従えて、イメージどおりのタンゴを歌い踊る。でもそれだけって役不足では?
 次、ガイチ様とコウ様。ガイチ様のピエロは芝居心が売りという点。なによりホリゾントを使い、空間的にも贅沢。コウ様は銀橋こそ出なかったが、ひとりで見せた。ノバボサノバ以降とみにうまくなったと思いまする。
 そして、ワタル様とナオ様。なんとなく嬉しそうだった。娘役と絡んで1曲ソロをとるのがやっと。
 すべりこみ専科のジュリ様。器用なだけに、いわゆる客をひきつけるものが欲しいと思いまする。
 さてさて今回の度肝は化粧替え。ター様を除く6名は、ミエコオネマをほめ讃える若衆となるため、自分の場面が終わるとレビュー化粧から日本物化粧へと変わった。そして第2部も再びレビュー化粧に戻し途中からご登場。同じ経験は、宙組オハナ嬢を除く3名のトップ娘役も。こりゃ大変ですわ。
 少し前だが1992年「白扇歌集」という日本物ショーがあった。安寿ミラ様のトップお披露目だったが、今思うと恐ろしい。マミ・タモ・リカ・チャーリー・ズンコ・ガイチ・ナオ各スター(当時候補生)がまだ皆同じ組に居た頃の話。この全員だったかは定かではないが、この日本物の中で何故かバレエシーンが挿入され、日本物で出ていた化粧を必死でレビュー化粧らしく青シャドウに替え、彼女たちが出てきてショーのラストに若衆達と合流していた。うーむ。演出は白井鐵造氏の愛弟子といわれる横澤センセでした。
 今宵は此れ位にて。

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